肩の感覚

実際に体験したことがないとわからないかもしれないが、ある日「肩がスカスカする」感覚に襲われた。

腕は普通に上がるし使えるけれど、上げた時の抵抗がなく妙にスカスカしている感覚なのだ。

このあたりの感覚だったり違和感を病院で伝えたりするのは本当に難しいし伝わらない。

「肩がスカスカする感じがします」

「でもちゃんと力は入っているし上げられているので問題ないのでは」

という事になってしまう。

 

セカンドオピニオン

とある脳神経内科にかかり、丁寧に診察をしていただいた。

この頃にはだいぶ詳しくなってきていて、

「足裏のバビンスキー反射を見ているな」

「手の腱反射を見ているな」

といった事がわかるようになった。

結果は、「反射は弱いが握力は正常範囲であるし、初見では判断が難しいので1ヶ月経過観察」との事だった。

 

こちら別途専門病院への紹介状をお願いしたところ急ぎで書いていただき、セカンドオピニオンを受けるために神経疾患専門の病院を受診した。

今までの経過や症状を全て説明し、どんな診断があるかと思っていたが、結果は「100%問題なし、多彩な症状が出ており精神的なものである可能性が高い」との事であった。

簡単な検査や触診すら実施せずなぜ100%問題ないと言えるのかとだいぶ食い下がったが診断は変わらず、何も成果を得る事なく帰路に着いた。

 

病院行脚の果てに

下顎のズレや痙攣から始まり、あまりに色々な症状が出ていた。

・下顎のズレ

・手足の痙攣

・夜間の中途覚醒

・労作時の息苦しさ

・階段昇降時の足の筋肉疲労

・倦怠感

・食欲不振

 

内科に何回も通い検査を受けたりしたが、終いには「大学病院を紹介しているし、うちではもうできる検査はないので…」と受診を断られてしまうこともあった。ある意味当然の

事だと思うが、それぐらいこの得体の知れないこの初めての症状の原因を早く突き止めて何とかしたいという思いが強かった。

寝られない苦しみ

一連の症状が出始めてから程なくして、夜間の中途覚醒が頻繁に起きるようになった。

1回や2回トイレに起きたりするのならよくあることだが、そんなレベルではなく、2hおき、下手すれば1hおきに目が覚めてしまうのだ。眠くてしょうがなくなるぐらい耐えてから眠りについても、目覚めるとまだ深夜2時だったりする。これは非常につらい。

精神科で睡眠導入剤を処方してもらい飲んでみたが効果はなかった。

睡眠時無呼吸などを疑いSPO2を継続的にモニタリングできる装置を購入してみた。

SPO2の平均値はそれほど下がっていなかったが、頻繁に脈拍が90ぐらいまで上がりそのタイミングで起きているようだった。ただ、「脈が高くなって起きている」のか、「酸素不足になり脈が上がっている」のかは判断がつかなかった。

針筋電図検査

前倒しできた針筋電図の検査を受けた。

「筋肉に針を刺す検査なので痛いですが、よろしくお願いします」と言われたが、痛むかどうかは特に気にならなかった。ただ、早く検査結果が知りたい、もっと言えば晴れて無罪放免されたい思いが強かった。

検査は肩、上腕、大腿、ふくらはぎの4箇所実施した。

確かに痛みはあるが通常の注射をちょっと痛くしたぐらいの感覚だと思う。

刺した後に静止したり、力を入れたりしてどのような結果が出るか調べる検査だそうで音などが少し聞こえたが、そこから結果を類推できるほどの知識はない。

こちらも後日結果を確認したとこ「異常なし」との事だった。

大学病院での検査結果は総じて「異常があったかなかったか」だけ知らされ内容や判断基準については知らされないケースが多いように思う。

病院探し

この頃少し運動した後の息苦しさや階段昇降時の筋肉疲労などの症状が出ていた事もあり、さすがに1ヶ月も漫然と待っていられないと思い、検査の受けられる病院を探すことにした。

ただ、設備のある病院は大きな病院限られており、検査を受けるにしてもまず初診の診察を受けてから、ということであった。

半月後位に初診の予約が取れるところが見つかったのでひとまず予約をし、紹介状について大学病院の文書受付に依頼をした。

 

何日か経ち、検査受付票に「予約の変更はこちらの番号へ」という記載があるのを見つけ、電話をかけてみた。

「あのー、とある検査を予約しているのですが、後ろ倒しは出来ても前倒しは難しいですよね...?」

「空いてれば大丈夫ですよ。来週の枠が空いているので変更しておきます」

拍子抜けする位簡単に変更できた。

最短の枠で取っている、というのはなんだったのか。いや、キャンセルが出たのかもしれないしそこについては深く考えないことにする。

早く検査をして安心したいのでほっとした思いが強かった。

 

足のふらつき

再度脳神経内科を受診した翌日、やはり症状が気になり総合内科を受診することに。

そこでは血液検査だったり肺のレントゲンなど、可能な限りの検査を実施していただいたが特に異常は見つからなかった。

診察が終了し、会計を待っている時にまたもや異変が生じる。

足がガクガクするような感じでふらつくのだ。力を入れれば立っていられないことはないのだが、自然に立っていると膝が折れるような感じになってしまう。

内科の方にその旨を伝えると、心配だろうから、ということですぐさま紹介状を書いてくれまた同じ大学病院の救急を受診することに。

 

タクシーで大学病院の救急受付に到着し、速やかに受診することができた。

だが、そこでも特に診察での異常は見当たらなかった。色々症状が出て心配なので筋電図検査を早めたい旨申し出たが、最短の日程で取っているということでNG。もし希望があれば他の病院へ紹介状を書くのでそちらで受けてもらってもOKとのこと。「あまりご心配なさらずに~」という担当医のコメントと共に帰路に着いた。

帰りは徒歩で帰宅したが、20分位の道のりを普通に歩けたのでやはり気のせいだったり

疲労などから来るものだったのだろうか。

いずれにせよ経験したことのないような一連の症状が不気味で不安が募った。